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CHELSEA

クラッシュ
なんとなしに長文の昔話。。。
それはオレが22歳の頃の、住宅メーカーのしがない営業マン時代のおはなし。
当時は髪も短くヒゲも無く、ハンカチ持った爽やかな新人で営業成績も新人ながらそこそこでした。
基本的に新人は歩いてナンボの飛び込み営業なんだが、ありがたいことに更に効率よく仕事ができるようにと社長直々の配慮から営業車を渡された。

某日、その営業車を使って得意先と新規のお客様との商談を終え、結果良く帰路に着いた翌日に事件が起こる。
いや、その時にはもう始まっていたのかもしれない。

朝礼後に成績の悪い上司が「昨日はお疲れ様。結果出してるんだから今日はサボってパチンコしよう」「なに、バレはしないから大丈夫」「今日は勝てるイベントだよ!」と黒目を銀色に光らせて言った。ゆえに成績が悪いわけだが。
しかしパチンコなど無縁の人生だったから
『まあやってみるのも勉強か』と、他の車両含め3台でパチ屋へ隠れるように入った。

オレの仕事に関する様々な罪悪感とは裏腹に出玉は増え続け、夕方には4万個の銀玉を要塞のように背負っていた。
そろそろアパートに帰ってシャワーでも浴びようと思い、仁王もしくはラオウの如き顔で奮闘しているダメな上司達に別れを告げた。
景品交換所でタバコを1カートンとチェルシーを交換中に上司から「出し過ぎだよ~。悪い事起こんなきゃいいけどな~!」などと下らん負け惜しみを笑顔で無視しつつ、性根の悪さからポケットの中で中指を立て営業車に乗り込む。
外は日も落ちて薄暗い。戦利品を後部座席に放り駐車場のアスファルトを徐行しつつ、手前を走る国道の直進車達を確認する。
車間距離はバッチリ。右折しようと片側2車線の国道へ滑るように進行した。

右手側が異様に眩しい。右手側から異様なスリップ音が近づく。咄嗟にブレーキを踏み右を振り向く。
遠くの場所に確認した筈のスポーツカーが猛スピードで車体を左右にグラつかせながら突っ込んで来た。
その車が放つヘッドライトの光は営業者の車体に反射してスポーツカーの運転者の男性の大口を映した。何かの破裂音と同時に記憶は途切れる。


目の前が白い。いや、最初は暗かった。火薬の焼けた匂いがする。
今なにが起こっているのかが分からない。
オレは何をしてたんだっけ?何も思い出せない。
頭とは別に心臓の音は吐きそうになるほど早く、それだけが本能的な不安感を煽っていた。

ヤバいぞ。何かがヤバい。観察しろ。何かを観察しろ。

目の前にはハンドルがエアバックという名の大輪の花を見事に咲かせ、屈むとその白色に映えるように赤いドットが増えてゆく。ハンドルから生えたツタのように両手は強張っている。
右手の窓はわずかばかり残り、その無惨で無機質なクモの巣は赤い。

事故だ。

頭を激痛が襲う。
遠い記憶を辿るように、眠る前の本の内容を思い出すように今起きた経験を徐々に思い出す。
そうだ。相手は大丈夫か。あの大口を開けた男性は大丈夫か。アゴとかとくに。
血だらけだが、どうやら四肢は動かせる。
通気性の良い窓から這い出すと相手のドライバーが心配そうに立っていた。
どうやら無事のようだ。

ひとまず会社に連絡するとタイミング良く(悪く)本社から社長が支店に来ていて「すぐ行く」と。
やがてパトカーや救急車が到着。救急車での搬送を断っていると(なぜか自力で行こうと思った)社長と支店長も到着。
営業車を見るなり「あ~あ」と苦笑した。

ひたすら詫びるオレと支店長に、社長は怪我の心配をしながら
「入社早々に派手な事故をやらかすなんてたいしたもんだ。インパクトあっていいじゃねーか。先が楽しみだ」
次いでオレに「ところで、なんでこんな所で事故起こしたんだ?」と、飴を舐めながら含み笑いで。

そうだった。ここはパチンコ屋の庭先だった。「自分サボってました」と言ってるような場所じゃないか。
何か策は無いかと悩んだ途端に、誤った天啓が降りて来た。

《トイレだ!そうだ!仕事帰りにパチンコ屋でトイレ借りたって事にしよう!》

「事務所に帰る前に急激にトイレに行きたくなってですね、、、こちらでトイレを借りた後に事故に。。。」
よくもヌケヌケと言えたものだ。
社長は「そうか。出物腫れ物所かまわずだから仕方ないが、」
次いで「このチェルシーってのは、なかなか無くならないな」
オレ「?」
社長「この1カートンいらないよな?車の弁償代として俺が貰ってもいいか?フフフ」
後部座席に置いていたハズの景品袋には【パチンコ○○○】と店名がしっかりプリントされ社長の手に握られていた。
「チェルシー食うかい?」と、笑顔で彼は言った。

ジーザス。
身も蓋もないとはこの事である。

この馬鹿な若者の経験から何かを感じ取って欲しい。
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2010/09/14 00:54 | DiaryCOMMENT(2)TRACKBACK(0)  

コメント

いろいろと考えました・・・

感慨深く読ませていただきました。

僕はブログを始めたひとつのきっかけが
自分の不注意で起こしてしまった自損事故でして、

最初の記事はその時の記憶を思い出しながら
書いたなぁと、言葉は変ですが、懐かしいとか、
いろいろと思い出すものがありました。

僕はその事故が自分への戒めでもあるので、
改めてその記事を見返しました・・・
そんな機会を下さってありがとうございます。

No:35 2010/09/21 08:58 | beeatle #YG9ONXHE URL編集 ]

Re: いろいろと考えました・・・

> 感慨深く読ませていただきました。
>
コメありがとう^^
そのうち間抜けな後日談upします(笑)
これからもよろしくどうぞ。。

No:36 2010/09/24 04:04 | Jamy #- URL [ 編集 ]

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